論稿「東論西遊」

異なる視点論点⑩(2020年1月18日):香港・新疆・IR:裏の裏に何があるか

2020年は、イラン革命防衛隊司令官の殺害による「あわや戦争」の緊張などで波乱含みの幕開け。中国関係でも台湾の選挙、米中間の第一段階貿易交渉合意の調印など長期的な影響ある動きが現れている。

自分が20年以上も共同執筆してきた『世界』誌の「世界論壇月評」コラムはこの3月号でピリオドを打つことになった。最終回は執筆者座談会の記録を掲載するが、米国覇権の凋落、中東や中国の行方などについてロングスパンの熱い討論が交わされており、ご期待ください。

中国人はどのように世界を見ているか。10億人以上が使っているニュースソースに関する興味深い調査結果が中国の研究者によって微信(WeChat)で紹介された。

研究傳媒的人員經過調查,發現當前我国大陸居民受訪者每天獲取新聞信息的渠道,已經發生根本性變化。其中75.25%来源於微信群,39.02%来源於抖音,26.61%来源於今日頭條,20.03%来源於微博。信息来自傳統紙媒的0.68%(絕大多数人不看報紙,只有黨政幹部中少数人還在看);来自電視的6.56%(目前基本只有老人還看電視);其他渠道占到4.24%(例如飯局、會議、家庭、街頭閑談等等)…

それによると、中国大陸住民の情報入手のソースは9割以上がSNSなど「新媒体」に頼っている。複数回答だが、

75.25%は微信、

39.02%は中国版TIKTOK、

26.61%は「今日頭条」、

20.03%はミニブログ

から情報を取得していると答えた。

伝統的な紙媒体(新聞雑誌)と挙げたのは僅か0.68%で、老人を中心にテレビと挙げたのは6.56%、残りの4.24%は食卓、会議、家族などと挙げた。

中国の中央政府から各地方当局まで、今は微信を中国社会の最も重要な情報源と見て、担当部門まで設置している。一方、伝統メディアの退潮は予想以上(日本と正反対)。これからの中国研究、中国人の世界観やその認識形成を知るうえで、この変化をしっかり理解しないといけない。

 

 

一 香港の余波

昨年後半を騒がせた香港問題は2020年に入っても根っこでは解決されていないが、二つの新しい動向が出てきた。

一つは北京の香港政策指導機関「中聯弁」主任の交代(1月4日)。

  • 思考香港20200107駱惠寧轉變治港路線到底要變什麼?

 

https://www.thinkhk.com/article/2020-01/07/38612.html

前主任の王志民は北京の中央文献弁公室の副主任に異動したが、明らかに誤った対応の責任が取らされての左遷。新たに任命された駱惠寧氏は「消防隊長」と呼ばれ、これまでは問題が噴出した青海省と山西省に相次いで赴任して局面を打開した実績が買われて香港担当になった。香港資産家偏重という従来の政策を軌道修正し、大半の香港市民側の理解と支持を取り付ける路線を推進していくのではと分析されている。

  • 香港01|議事廳20200105王志民免職駱惠寧接任 新年換帥北京有何考量?

 

https://www.dwnews.com/%E4%B8%AD%E5%9B%BD/60164668/%E4%B8%AD%E8%81%94%E5%8A%9E%E6%8D%A2%E5%B0%86%E6%95%91%E7%81%AB%E9%98%9F%E9%95%BF%E9%AA%86%E6%83%A0%E5%AE%81%E9%9D%9E%E5%B8%B8%E4%BB%BB%E5%91%BD%E6%8A%98%E5%B0%84%E4%B9%A0%E6%B0%8F%E7%94%A8%E4%BA%BA%E8%A7%82

この駱氏は実務的で「政治経験が豊富である」こと、習近平主席からの信頼が厚いこと、省クラスのトップが香港担当のトップになったのは30年ぶりで、香港問題を重視する姿勢の現れ、とも指摘されている。

しかし今年秋にも立法会選挙が行われる予定。半年余りの間に香港の民意を動かせるか、至難な技が期待できるのか。

 

もう一つの動向は香港「民主派」の分裂。昨年後半の運動は文闘(デモ)派と武闘派の連携によって盛り上がったが、新年早々、武闘派の「勇武派」が相次いで「退場宣言」を発した。「全面退場」の問題が1月7日以降、Facebookや「連登論壇」などのSNSで公に討論され、一部の戦闘チームは解散を発表した。

  • 多維新聞網20200108香港局勢轉折 激進示威者宣布將全面退場

 

https://www.dwnews.com/%E9%A6%99%E6%B8%AF/60163817/%E9%A6%99%E6%B8%AF%E5%B1%80%E5%8A%BF%E8%BD%AC%E6%8A%98%E6%BF%80%E8%BF%9B%E7%A4%BA%E5%A8%81%E8%80%85%E5%AE%A3%E5%B8%83%E5%B0%86%E5%85%A8%E9%9D%A2%E9%80%80%E5%9C%BA%E5%9B%BE

SNSでは、以下のような解散声明の書き込みが複数掲載された。

 

  • 多維新聞網20200109勇武派被指全面退場 個中緣由被曝光

 

https://www.dwnews.com/%E9%A6%99%E6%B8%AF/60164039/%E5%8B%87%E6%AD%A6%E6%B4%BE%E8%A2%AB%E6%8C%87%E5%85%A8%E9%9D%A2%E9%80%80%E5%9C%BA%E4%B8%AA%E4%B8%AD%E7%BC%98%E7%94%B1%E8%A2%AB%E6%9B%9D%E5%85%89

この二つの記事によると、資金源が取り押さえられたことや、昨年12月まで香港理工大学で主要メンバーが一網打尽されたこと、台湾は総統選挙の直近になって香港情勢の利用が必要ではなくなり、当初約束した「支持」(難民法の制定など)が反故になったこと、大半の香港住民が経済と民生の混乱に嫌気がさしたなどがその背景要因である、という。

 

一つの補足。前回の「参考消息」で、香港問題に関する西側の報道の「ダブルスタンダード」が中国で反発されたことを伝えたが、今回、スイスの有名なニュースサイトに、米国の主要メディアの「ダブルスタンダード」を批判する記事が掲載された。

  • Neue Zürcher Zeitung (NZZ)191228«New York Times» und CNN berichten tendenziös über die Aufstände in Hongkong: Woher rührt die Doppelmoral amerikanischer Medien?

 

https://www.nzz.ch/feuilleton/die-doppelmoral-der-amerikanischen-medien-ld.1530254

 

この記事は直ちに中国の英語と中国語のメディアに詳細に紹介された。

  • chinadaily.com20200104Swiss newspaper targets US media’s HK double standard

 

https://www.chinadaily.com.cn/a/202001/04/WS5e104bdca310cf3e3558279d.html

  • 人民網200106美国媒體在涉香港報道上的

 

http://hm.people.com.cn/n1/2020/0106/c42272-31535185.html

主旨:

1、CNNとNYTは、香港とチリ、エクアドルなどでほぼ同時に発生した反体制デモに関する報道において、負傷者や逮捕者の人数がチリなどのほうがはるかに多いにもかかわらず、トータルの報道記事の9割が香港に集中した。

2、香港でエスカレートした暴力活動について「民主派」「民主的抗議者」と呼び続けたのに対し、他の国のデモ参加者に関しては「暴乱分子」「ならず者」などの呼び名を使った。

3、香港で老人が武闘派によって殺された事件について、米国の主要メディアでは軽く扱われ、末尾に「原因は暴力で鎮圧する警察に反抗するため」と付け加える報道ぶりだった。摘発された武闘派の製造した爆弾は2013年のポストンマラソンの事件より威力も数量もはるかに大きいにもかかわらず、批判は何も加えられなかった。

同記事はまた、各国の抗議活動に関する米国主要メディアの報道の特徴として、米国政府が支持するものは美化し、反対するものは悪者化するものと総括した。

 

香港と台湾の動向を長期的スパンでどう見ればよいか。アメリカ、ロシア、ドイツ、日本などの大国が歴史上急速に台頭するプロセスを調べているうちに、周りの個体(「併合」が運命づけられた地域と他の中小国家を含めて)はいずれも、自分の存在に関して危機意識をあらわにし、また域外の大国に支援を求める、との行動パターンが見られる。「喜んで大国の影響下に入る」個体は一つもなかった。したがって、中国がいかに魅力ある国を作り上げていくかとの問題を考えるとともに、中国の大国化という強力な渦巻きに周辺が本能的に抵抗を表現する、という図式は今回特有なものではなく、「歴史の常」である。

 

実はインドも同じようなジレンマを抱えている。昨年8月6日、インド議会が、パキスタンと係争中のジャンムー・カシミール州とラダック地方に関して、その憲法370条で規定した自治権を剥奪する法案を採択し、続いてモディ首相は同地域を連邦政府の直轄市にすると発表した。それに強く反発するパキスタンはこの行動を第二次大戦前の「ヒトラーによるチェコスロバキア併合」と同じ暴挙として非難し(カーン首相)、大使の召還、経済交流の停止を発表。国連安保理が直後に非公開協議を招集したが結論は出ず、印パ国境地帯ではその後、双方の軍隊が増強され、死傷者を出す銃撃戦が発生し、緊張状態は今も続いている。

本来は香港問題よりはるかに深刻な「一国二制度の破壊」だが、日本を含め西側世論では小さくしか扱われず、中国SNSでは西側のこの報道姿勢が香港報道との比較で「ダブルスタンダード」と批判された。

それより興味深いのは中国の主流学者によるロングスパンの捉え方だ。

  • 木鐸警聲微信公衆200102印度取消“一国両制”和“自治”,世界大勢是“一體”還是“多元”?

 

https://mp.weixin.qq.com/s/VTyysnQ_RRIlR2UBEdSKqA

現在印度取消“一国両制”和“自治”,從中国利益的角度来說當然是應該反對的,因為印度這樣做不利於中国的国家利益,也損害了中国的領土主権。但從歷史教訓来說,“一国両制”和“自治”無益於国家認同和国家長遠利益,只是某些情況下的権宜之計。世界大勢,順之者昌,逆之者亡。取消“一国両制”和“自治”才能實現国家完全統一,才能把全體公民凝聚成統一強大的国族。

要旨:

  1. インドがカシミールの「一国二制度」をはく奪したことは現実の中国の国益から見て当然反対すべきだ。
  2. しかし歴史の教訓と世界の大勢から見て、近代以来の大国はいずれも「ネーションステート」(国民国家)を実現して初めて完全の統一・融合そして現代化を遂げてきた。
  3. 理想主義的なソ連型アプローチ、すなわち多民族の連邦を作る旧ソ連と旧ユーゴの加盟共和国体制は結果的にみな崩壊した。
  4. (香港を念頭にか)「一国二制度」や「自治」は特定の状況下の妥協策であるが、ロングスパンで見れば、国家アイデンティティの形成に不利で、全国民を統一した「国族」に凝集していくのが世界の流れだ。

 

インドは更に昨年12月、アッサム州など二つの地域で民族を超えた国民統合を狙う「公民身分法(修正案)」を推進する過程で強い反発が出て暴動が起きたが、当局はネットの閉鎖などの措置を強行した。それに対しても、中国の学者「青丘」が理解を示す記事を書いた。

  • 人民網191217印度關閉互聯網明了一個常識

 

http://world.people.com.cn/n1/2019/1216/c1002-31508155.html

從互聯網自身發展的趨勢来看,早期歐美發達国家的歷史優勢決定了在認知觀念和具體實踐上存在顯著差距:(中略)努力單向度地擴展自身主権的管轄範圍,壓縮新興大国和發展中国家在網絡空間的主権實踐,以謀求一種非對稱、不均衡的信息自由流動與多利益相關方的治理架構。這種架構的本質,是一種新的中心-外圍的依附結構。

但顯然情況並非如此。印度在保衛国家安全的需要下,也會毫不猶豫地關閉互聯網;而作為互聯網發源地的美国,在国家安全的需求下刪除内容、關閉賬號、廣泛監控等舉措都已經是某種常態化的操作了。

互聯網無法成為獨立於国家主権的存在,政府基於国家利益的需求對互聯網進行管理,包括在緊急状態下進行必要的應急處理,是一項常態化的操作,也應成為各方的一種常識化操作。

主旨:

  1. 欧米先進諸国はその歴史的な優位をもって新興大国と途上国に「ネットの自由化」を求め、自らの主権範囲を過度に拡張し、途上国側のネット空間における主権を圧縮しており、実際は非対称、非均衡な情報の流れを作っている。これは事実上、新たな「中心vs周辺」というガバナンス構造であり、途上国にとって不利である。
  2. しかし「民主国家」であっても発展途上のインドは国家の安全を守る必要上、躊躇なくネットを閉鎖した。アメリカでも最近、安全保障との理由でネットの内容を削除し、一部の発信サイトを閉鎖し、広く監視を加える措置を導入している。結局、アメリカは他国にネットの自由化を求めるが自らは「国家安全」の大義名分のもとで制限を強化している。
  3. ネットはやはり国家主権から独立された存在ではなく、インドの措置は理解できるし、国際社会もその在り方を常識として理解すべきだ(「常識化操作」)。

やはり「複眼」的な見方が必要だ。

 

 

二 新疆の「100万人監禁」説

新疆ウイグル自治区の民族問題も最近、注目を集めている。日本の主要メディアでは中国当局が新疆でウイグル族を抑圧し、「100万人を監禁して強制の教育をしている」との見方で一辺倒。日本共産党でも同じ批判をしている。自分はあるテレビ番組の出演で「国際社会がみな、新疆の強制監禁教育を批判しているがどう思うか」と聞かれたのに対し、「確かに22カ国が批判しているが、60カ国以上がそれを擁護・支持していることを知っているか」と話したら、それ以上の議論は進まなかった。

西側の見方は以下の記事に代表されている。

  • BBCニュース190711中国は「ウイグル族の拘束やめよ」 22カ国が共同書簡で非難

 

https://www.bbc.com/japanese/48946124

これによると、「イギリスや日本など国連人権委員会加盟の22カ国は、中国・新疆(ウイグル自治区)におけるウイグル族の処遇について、中国政府を批判する共同書簡に署名した」。

日本でも大きく報じられたこの「100万人のウイグル族拘束」批判文書に署名した国は、国際人権組織ヒューマン・ライツ・ウォッチによると、イギリスと日本のほか、オーストラリア、オーストリア、ベルギー、カナダ、デンマーク、エストニア、フィンランド、フランス、ドイツ、アイスランド、アイルランド、ラトヴィア、リトアニア、ルクセンブルク、オランダ、ニュージーランド、ノルウェー、スペイン、スウェーデン、スイスの各国である。

 

しかしその続編について日本でほとんど報じられていない。22カ国の中国批判書簡に対し、直後に、同じ国連人権委で、37カ国が中国の新疆政策を擁護する共同書簡を提出した。

  • 加拿大、日本等22国插手新疆事務,37国反撃 觀察者190713

 

https://www.guancha.cn/politics/2019_07_13_509290.shtml?s=fwckhfbt

12日,俄羅斯、巴基斯坦、沙特阿拉伯、埃及、古巴、阿爾及利亞、阿聯酋、卡塔爾、尼日利亞、安哥拉、多哥、塔吉克斯坦、菲律賓、白俄羅斯等37国常駐日内瓦大使聯名致函聯合国人権理事會主席和人権高專,積極評價中国新疆人権事業發展成就和反恐、去極端化成果,支持中国在涉疆問題上的立場。

大使們在聯名信中贊賞中国堅持以人民為中心的發展思想,通過發展促進人権,取得了巨大的人権成就,也為国際人権事業做出了貢獻。他們表示,恐怖主義、分裂主義和宗教極端主義給中国新疆各族人民造成嚴重傷害,踐踏人民生命権、健康権、發展権等基本人権。中国新疆采取一系列反恐和去極端化措施,包括設立職業技能教育培訓中心,有效保障了新疆各族人民的基本人権。新疆已近3年未發生一起暴恐事件,新疆各族人民的幸福感、獲得感、安全感顯著增強。

大使們贊賞中国多次邀請各国使節、国際組織官員、媒體人士等赴新疆参觀訪問,註意到訪疆人士普遍表示,在新疆所見所聞與西方媒體報道的情況完全不一樣。他們敦促有關国家在從未訪問過新疆的情況下,停止借未經證實的信息對中国進行無端指責。

要旨:

  1. パキスタン、サウジ、エジプト、アルジェリア、UAE、カタール、ナイジェリア、アンゴラ、タジクスタンなど十数カ国のイスラム国家もしくはイスラム宗教信仰国を含む37カ国の大使は直後に、中国の新疆政策を弁護する共同書簡を提出。
  2. 共同書簡は特にテロリズム、分裂主義と宗教極端主義が中国新疆の各民族に与えた重大な災難を認定し、「職業技能教育センター」の設立を含む「反テロ」「極端化除去」の措置を取ることを支持し、この3年間、新疆でテロ事件が起きていないことを評価。
  3. 関係各国の外交使節とも現地を訪問しており、それに基づいて見解を述べているが、現地を見ていない国の人間が伝聞に基づいて中国を非難することを停止するよう申し入れる。

 

中国外交部報道官の発表によると、その後、国連人権委で合わせて60カ国以上の代表が発言して中国の新疆政策を「肯定・評価した」。また、2018年末以降、90カ国と地域の政府関係者1000人以上、国連反テロ担当副事務局長なども新疆現地、「再教育施設」を含めて訪問した、という。

  • 人民網191203蓬佩奧又抹黑中国 外交部“参觀”不正,無法對話

 

http://world.people.com.cn/n1/2019/1203/c1002-31488146.html

去年底以来,全球已經有90多個国家和地區的1000多人包括聯合国反恐事務副秘書長訪問了新疆,他們都親眼看到了新疆預防性反恐和去極端化措施所取得的顯著積極成效。不久前聯大参委同消除種族歧視委員會對話會上,雖然美国試圖勾結一些盟友無端指責中国,但沒有任何一個穆斯林国家指責中国;而60多個国家,包括很多穆斯林国家,都積極評價中国在新疆采取的反恐和去極端化舉措。因為去過新疆的人都親眼看到了,新疆各民族是安居樂業的,各民族之間是團結的,都依法享有宗教自由和文化教育的権利。這是事實。

正如英国《衛報》披露出,英国為涉暴恐犯罪人員設立了DDP項目。據我所知,還有其他20多個国家也采取了類似的為涉嫌暴恐犯罪分子專門設立的強制性項目。比如,法国在全国各大區設立去極端化中心,美国也推行“社區矯正”措施。我想,這些預防性反恐和去極端化項目設立的初衷和邏輯與中国新疆設立教培中心其實是一樣的。只不過,新疆設立教培中心的舉措更加系統、全面,也更加有效。

新疆開展的教培工作正是中国落實国際社會反恐和去極端化倡議,包括落實《聯合国全球反恐戰略》和《防止暴力極端主義行動計劃》的具體步驟和具體體現。

要旨:

  1. 60カ国以上が中国の政策を「積極的に評価し」した。イスラム国家は一つも中国の新疆政策を批判していない。
  2. 英国政府も、テロや暴力関係者に対して「断念と離脱」(Desistance and Disengagement Programme, DDP)という機関を設置し、強制的な監視措置を取っていること、フランスが全国各地域で「極端化除去センター」を設置していること、アメリカも「地域社会矯正」を推進していることを挙げ、「その趣旨は中国新疆の再教育施設の設置と同じ」であるが、「中国のプログラムはもっと系統的で有効である」。
  3. 新疆のプログラムは国際社会の反テロと宗教極端化排除の総意に沿ったもので、国連が採択した反テロの決議やアクションプランに従ったものである。

 

新疆の「再教育施設」問題をめぐってアメリカ当局が一番困惑しているのは、批判したのはすべて先進国とEUメンバー国であり、途上国、特にイスラム諸国が加わっていないことだ。そこでニューヨークタイムズ紙は、トルコを含め、みな中国の豊富な資金で買収されたとの解釈を試みた。中英文の対照で同記事の関係部分を紹介する。

  • 紐約時報中文網190926中国要世界對新疆拘禁營保持沈默,它成功了

 

China Wants the World to Stay Silent on Muslim Camps. It’s Succeeding.

https://cn.nytimes.com/china/20190926/china-xinjiang-muslim-camps/dual/

在自己以穆斯林为主的国家一直大力提倡伊斯兰价值观的埃尔多安,对中国西部新疆地区关押的100多万名突厥语系的穆斯林,以及数百万人的被迫同化,却基本保持沉默。这与10年前相比是个180度的大转弯,当时他曾说,“简单地说,”中国政府让新疆的维吾尔族人遭受了“种族灭绝”。

Mr. Erdogan, who has stridently promoted Islamic values in his overwhelmingly Muslim country, was largely silent on the incarceration of more than one million Turkic Muslims in China’s western region of Xinjiang, and the forced assimilation of millions more. It was an about-face from a decade ago, when he said the Uighurs there suffered from, “simply put, genocide” at the hands of the Chinese government.

得益於外交和經済實力,中国已經在很大程度上成功地平息了批評。中国官員說服不少国家,尤其是非洲、亞洲和中東的穆斯林国家在這個問題上公開支持北京。

Backed by its diplomatic and economic might, China has largely succeeded in quashing criticism. Chinese officials have convinced countries to support Beijing publicly on the issue, most notably Muslim ones in Africa, Asia and the Middle East.

37国的領導者包括伊斯蘭合作組織(Organization of Islamic Cooperation)的成員国,該組織曾在今年4月對中国的新疆政策表示一致支持。

Among the cheerleaders were members of the Organization of Islamic Cooperation that unanimously endorsed China’s Xinjiang policies in April.

在中国的發言結束時,120多個国家對中国人権状況給予了積極評價。不到36個国家表達了真正的擔憂。

At the end of China’s presentation, more than 120 countries gave a positive review of its human rights record. Fewer than three dozen countries expressed real concern.

在如何应对中国问题上,欧盟内部存在分歧,无法形成统一战线。法国和德国的领导人在新疆问题上公开保持沉默,而一些东欧国家是中国的支持者。

Rifts within the European Union on how to deal with China prevent a common front. Leaders in France and Germany are publicly silent on Xinjiang, while several Eastern European countries are supporters of China.

 

ウォールストリート・ジャーナル紙も「中国はどのようにあるムスリン国家(インドネシア)を新疆問題で黙らせたのか」との記事を掲載している。

  • WSJ191213中国如何讓一個穆斯林国家對新疆問題保持沈默

 

https://cn.wsj.com/articles/%E4%B8%AD%E5%9B%BD%E5%A6%82%E4%BD%95%E8%AF%B4%E6%9C%8D%E4%B8%80%E4%B8%AA%E7%A9%86%E6%96%AF%E6%9E%97%E5%9B%BD%E5%AE%B6%E5%AF%B9%E6%96%B0%E7%96%86%E9%97%AE%E9%A2%98%E4%BF%9D%E6%8C%81%E6%B2%89%E9%BB%98%EF%BC%9F-11576136113?mod=djemTTN_CN_h&tesla=y

全文:https://nei.st/medium/wsj/how-china-persuaded-one-muslim-nation-to-keep-silent-on-xinjiang-camps

 

アメリカの主要メディアと政治家による中国の新疆政策大批判に対し、昨年12月末、独立メディア「The Grayzone」が検証記事を掲載し、そもそも「新疆の100万人強制収容」説の根拠が怪しいと正面から提起した。

  • China detaining millions of Uyghurs_ Serious problems with claims by US-backed NGO and far-right researcher ‘led by God’ against Beijing _ The Grayzone191221

 

https://thegrayzone.com/2019/12/21/china-detaining-millions-uyghurs-problems-claims-us-ngo-researcher/

米下院がウイグル人権政策法を採択し、共和党議員クリス・スミスが「ホロコースト以来見ない規模での数百万人の抑留」と批判するすべての根拠は、中国批判専門の人権組織「Network of Chinese Human Rights Defenders(CHRD)」が行った二つの「調査」の結論に頼っている。国連人種差別撤廃委員会に提出された「新疆の拘留キャンプと約200万人が『再教育』プログラムへの参加を余儀なくされている」ことを指弾した2018年の報告書も、多くの欧米メディアは国連が作成した報告書として誤って伝えているが、CHRDの傑作である。

しかしCHRDの調査の信ぴょう性に疑いをかけたのは「The Grayzone」サイトに掲載された上述の記事である。CHRDが出した報告書が根拠とするいわゆる二つの調査はいずれも偏り、極めて不十分と検証したもので、その「結論」を中国批判に利用する米国政府は、その「研究成果」に頼りつつ、米議会が出資する「全米民主主義基金(NED)」を通じてCHRD資金を提供しているとも暴露した。

 

ネットで調べたら、日本でもある独立系ネットメディアだけ、この記事を取り上げた。欧米の新疆「収容所」批判の根拠となるCHRDのでっちあげを厳しく追及したその文章を紹介した日本語記事をぜひお読みください。

  • レコードチャイナ191227新疆についての大うそは、このように練り上げられた

 

https://www.recordchina.co.jp/b770417-s16-c10-d0000.html

 

一方、北京側も、この問題が西側の批判の的になるのをかわすため、昨年12月9日、国務院新聞弁公室が行った記者会見で、新疆ウイグル自治区のシェクレティ・ザカール主席が「再教育施設」の実態と成果を紹介した上で、「100万人監禁」説はでっち上げと批判し、「再教育プログラムはすべて終了した」と発表した。

  • 觀察者191209国新辦就新疆穩定發展有關情況舉行新聞發布會

 

https://www.guancha.cn/politics/2019_12_09_527800_s.shtml

新疆已連續3年未發生暴力恐怖案(事)件,極端主義滲透得到有效遏制,社會治安狀況明顯好轉。

2018年新疆接待境内外遊客達到1.5億人次、同比增長40.1%,今年前10個月接待遊客已突破2億人次、同比增長42.6%。

去年底以来,参觀過教培中心的91個国家的70余個團組1千多人,包括外国官員、駐華使節、媒體記者和宗教人士。

基於新疆暴恐活動多發頻發的嚴峻形勢,我們依法設立職業技能教育培訓中心,開展職業技能教育培訓工作。参加職業技能教育培訓的人数是動態的,有進有出。境外一些媒體稱新疆教培中心學員“有上百萬甚至両百萬”,純屬捏造、毫無根據。目前,参加“参學一去”的教培學員已全部結業。

 

中国の対外宣伝が「凄い」ともいわれるが、ここ数年、「一帯一路」、香港問題などを含め、明らかに受け身で防戦一方だ。新疆問題でも、海外のメディアや研究者が納得するような説明がほとんど行われてこなかった。しかしここまで来て、「中南海が新疆問題をめぐる世論戦で反撃した」と以下の記事が伝える。

  • 多維新聞網191209中美博弈新疆輿論 中南海開始主動出撃

 

http://news.dwnews.com/china/big5/news/2019-12-09/60160148.html

 

この中で触れた「反撃」は一つは前述の記者会見と「再教育施設」の終了発表だが、もう一つは新疆がこれまで被ったテロの被害の映像初公開である。

  • CGTN191206大尺度披露中国新疆反恐形勢,首次公布大量恐襲原始畫面

 

Fighting terrorism in Xinjiang》191206

https://www.bilibili.com/video/av78244321/

新疆がテロ活動に長年苦しめられてきたことを、かなりの部分の映像は初公開だが、これを紹介する英語解説付きの50分間の番組だ。

 

ところが、それについてロイターなどヨーロッパの一部のメディアが短く取り上げたが、アメリカのメディアはほぼすべて「知らんぷり」を通した。そこで中国外交部の華報道官が「反撃」に出た。

  • 新浪新聞191209華春瑩今天問了這樣一個問題 但外媒無一舉手

 

https://news.sina.com.cn/c/2019-12-09/doc-iihnzhfz4711171.shtml

今天上午,很多西方媒體都去了国新辦舉辦的涉疆問題發布會,你們也都沒有報嗎?你們能不能坦率地告訴我,你們為什麽沒有報道?你們不是告訴我們,你們一直秉持著客觀公正全面的立場嗎?你們也非常關心涉疆問題,當有一些別有用心的撒謊者撒著關於涉疆問題的彌天大謊時,你們趨之若鶩,而當新疆的事實和真相展現在我們面前時,你們卻避之唯恐不及,這是為什麽?你們在擔心什麽,你們在害怕什麽?你們難道真的不願意靜下心来認真做一些反思嗎?

華報道官は、客観と公正を自称するあなたたちは、新疆に関する明らかにでっち上げの話があると群がるが、事実と真相を前にすると黙り込むのはなぜか、何かを恐れているためか、反省するところは本当にないのか、と語った。

それに対して、欧米記者は誰も反論、再質問をしなかった。

 

ただ、前出した日本の独立系ネットメディアはこの映像を紹介した。

  • レコードチャイナ191218中国が「反テロ」ドキュメンタリー放送! 新疆ウイグル自治区めぐり米中が応酬

 

https://www.recordchina.co.jp/b767993-s0-c10-d0052.html

この記事の中で、日本語の字幕付きの新疆テロ問題に関する中国の50分番組を見ることができる。

 

米インド太平洋軍司令官も12月に入って新疆などの問題で中国を批判したが、それに対し、華報道官は「アメリカはスーパー(超級)フェイクニュースの常習犯であり、世界ただ一つの、ムスリン禁止令を出している国だ」とやり返した。

  • 美軍司令攻撃中国,華春瑩:美国是世界上唯一專門針對穆斯林群體頒布“禁穆令”的国家191211

 

https://mp.weixin.qq.com/s/yrzf77SY58ZevrRw4F_uyg

 

2020年に入ってポンペオ米国務長官が中央アジアを歴訪する予定で、訪問先で新疆問題を取り上げるつもりだと語ったのに対し、中国報道官はまた、中央アジア諸国は反テロの問題において中国と同じ境遇で同じ立場にあり、「米側がいかなる離間工作を試みても効果はあり得ない」と評した。

  • 多維新聞網200102美国呼籲中亞多国圍攻中国新疆政策 北京表態

 

https://www.dwnews.com/%E4%B8%AD%E5%9B%BD/60163222/%E7%BE%8E%E5%9B%BD%E5%91%BC%E5%90%81%E4%B8%AD%E4%BA%9A%E5%A4%9A%E5%9B%BD%E5%9B%B4%E6%94%BB%E4%B8%AD%E5%9B%BD%E6%96%B0%E7%96%86%E6%94%BF%E7%AD%96%E5%8C%97%E4%BA%AC%E8%A1%A8%E6%80%81

 

中国語と英語のバイリンガルによる新疆の「再教育プログラム」に関する中国政府の白書も発布されている。真剣に研究したい方は読んでみてください。

  • 国務院新聞辦公室16日發表《新疆的職業技能教育培訓工作》白皮書

 

http://ex.chinadaily.com.cn/exchange/partners/82/rss/channel/language/columns/v0m20b/stories/WS5d564f68a310cf3e35566313.html

 

では新疆問題をめぐってどうして認識のギャップがこんなに大きいのか。筆者の感想的解釈は以下の通りである。

  1. 欧米先進国が批判することに、日本に住む自分としては人権や自由の精神に関して一定の理解を持つ。ただ、多民族国家の民族間関係や融合の問題を見るうえで「国民国家」の形成過程との視角も必要だ。
  2. ちょうど数日前の朝日新聞のコラムで原・編集委員が吉見俊哉東大教授の「近代」に関する研究を紹介した。それによると、「近代」という時代は欧米では1970年代に、日本でも95年前後には終わった、という。同コラムは「経済成長」を念頭に「近代」論を紹介したが、実は「近代国家」の形成についても同じように、その発展段階を区別して見ることが必要と考える。
  3. 新疆問題について特に注意を提起したいのは、イスラム諸国を含むほとんどすべての途上国がかなりの程度の理解を示し、少なくとも反対していないことだ。「中国マネーに買収されたから」はナンセンスの解釈だ。アラブ諸国は民族と宗教問題を前に、簡単に妥協、「黙らされる」と信じられるか。
  4. やはり、宗教極端化の問題、特に反テロの問題は途上国の共通課題になっている。インドネシア、マレーシアなどの国のイスラム社会はかつて他民族、他宗教との共存に温和だったが、近年過激化が進んでおり、共通の悩みを持っている。そのため、中国に対して一定の共通意識を持ちやすいし、どのように社会的な大混乱と強い反発が起きない形でテロ、宗教極端主義に対処するか、中国の「実験」を見守りたい一面もあるのではないか。

日本共産党が真の原理原則に立って中国の民族政策を批判する前に、中国は社会主義国家であるとともに、途上国の発展段階であること、中国自身も「社会主義の初級段階」にあると自ら位置付けていることを理解すべきだ。さもないと、理想論、空論にすぎない。空論では国を治められない。

もちろん中国もこのまま立ち止まってはならない。国民所得が1万ドルに達したことを誇らかに宣言した以上、法治、民主、自由など中国自身が掲げた目標の実現に、世界に理解される形で邁進しなければならない。

 

話が戻るが、年末に、在米の中国人社会がいかに監視下に置かれているかをスクープしたBloombergサイト掲載の記事が中国で広く紹介された。併せてお読みください。

  • Mistrust and the Hunt for Spies Among Chinese Americans Ties to China doom applicants’ security clearances more than to any other country. Bloomberg20191210

 

https://www.bloomberg.com/news/features/2019-12-10/the-u-s-government-s-mistrust-of-chinese-americans

 

 

三 IR問題に関する第二、第三の解釈

昨年末、カジノを中心とした統合型リゾート(IR)事業開発計画をめぐって、現役の自民党代議士が収賄容疑で逮捕された。深圳に本部を置く500.COMという中国の宝くじ発売を主にやってきた企業が賄賂を送ったことで、捜査が続いており、別の政治家にも波及している。それに関して、某テレビ討論番組キャスターは、IR汚職事件の本質は「日本の国会議員に中国が浸透を始めているということ」と語った。

  • Yahoo!ニュース200104辛坊治郎氏、IR汚職事件の本質を「日本の国会議員に中国が浸透を始めているということ」

 

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200104-01040066-sph-soci

 

中国の企業が賄賂金を送ったから徹底追及、真相解明が必要だが、ただ、何でも「中国共産党が悪い」と絡むより、もう少しオープンマインドで複数のシナリオと可能性を考えてもいいではないか。

元外交官孫崎氏はアメリカが日本のカジノ利権を狙っていることとの関連について追及の筆を進めた。

  • IR汚職事件でアメリカ系企業の動きを黙認する検察の不可解|日刊ゲンダイDIGITAL200110

 

https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/267346

 

 実は自分も複数の自民党政治家の秘書から、日本のカジノ事業に、マカオの参入を抑えて米国のカジノ企業を有利にする思惑が背後に働いているのではないか、小型のロッキード事件だとの議論を聞いた。

 

一方、中国当局もさっそくこの件に調査のメスを入れた模様。

  • 500彩票網進行部調 董事長辭職CEO停職【環球博訊】200101

 

https://www.wgi8.com/news/news_42955.html

 同企業のトップがほぼ全員解任され、内部調査が行われている、という。

 

中国の複数のメディアは、同社の経営に問題が多く、「ネット宝くじ」の解禁に未来をかけたが、夢がはじけたため、日本のIR新天地に新たに賭けをした、との背景を指摘している。

  • 中国彩票公司陷日本議員賄賂案 欲拓展日本博彩業務_騰訊新聞191221

 

https://new.qq.com/omn/20191221/20191221A0E9Q500.html

  • 500彩票陷“行賄門”日本博彩夢早已破碎? 雪球191227

 

https://xueqiu.com/1078525202/138180566

 

中国の友人からは、500.COMはもともと日本に何も人脈がないから、今回逮捕された紺野氏などから、「俺に任せればすべてうまくゆく」と言われて、いいように使われたという「裏事情」も聞いた。

日本のネット記事でもこの人物の悪評が取り上げられている。

  • IR疑惑・逮捕の紺野昌彦に沖縄で「詐欺師」の悪評 札束を見せびらかしていたFBフレンド JBpress200101

 

https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/58814

 

中国の日本通は今回の事件の背景に関する彼個人の推測を次のように語ってくれた。安倍政権はカジノ事件の推進で明らかに中国マネーを狙っており、自民党の一部もそれを知っているので、中国カジノとのパイプの開拓に熱心だ。中国政府は反腐敗闘争でカジノの利用に厳しく取り締まっており、マカオ、ミャンマーなどのカジノ施設に中国人の利用をことごとく制限している。だから中国企業の日本IR参入を望まない。今後、当該企業への追及を契機に、中国企業を日本のIR事業から遠ざける措置を取るのではないか。

この説が正しいなら、日本マスコミの「スクープ」は、今回は習近平主席を助けたことになる(笑い)。

 

(終わり)

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